STEP QI SCHOOL BLOG 国際会議ICLRに参加して(篠原・吉仲研究室 学部4年K.S.さん)

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 篠原・吉仲研究室4年のK.S.です. 今回, 2019年5月6日(月)~5月9日(木)にかけてアメリカのニューオリーンズで開催された機械学習分野の国際会議ICLR(International Conference on Learning Representations)に参加してきました. この会議は機械学習分野の中でもトップクラスの国際会議で, 2012年から始まった比較的歴史の浅い会議ですが, 参加者数を凄まじい勢いで伸ばしています. 具体的には, 2013年時点での参加者数は100人前後だったそうですが, 毎年倍近いペースで増加し, 今年の参加者数は3000人を超えたそうです. 会議の対象分野としては機械学習系の国際会議の中では特定の分野にフォーカスしている部類で, 主要トピックは「生成モデル」「表現学習」「敵対的機械学習」「強化学習」などですが,機械学習の話であればそれ以外の様々なトピックの論文も投稿されています. 
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 会議は4日間かけて行われ, 全体の流れとしては, 大ホールで招待講演や口頭発表が行われつつ, その間にワークショップやポスター発表用の時間が用意されている, といった形でした. 今回の会議では, 初日にほぼ全てのワークショップが集められていました. ワークショップは10個ほど並列で開催されており, 会議本体と関連した特定のテーマにフォーカスしたセッションが各部屋で行われていました. 私は様々なテーマの話が聞きたかったので, 初日は招待講演や口頭発表を聞きつつ幾つかのワークショップを渡り歩いていました. 2日目以降も同様に興味のある招待講演や口頭発表を聞きつつ, ポスター発表を聞いて回っていました. 何本かは事前に読んだことがある論文の発表だったので, 論文に書いていなかった裏話など, 多少突っ込んだ議論ができて面白かったです. ポスター発表は発表者と参加者との議論の場という位置付けで, 皆積極的に質問しており, 活発な雰囲気でした. 会議の様子は録画されてライブ配信されており, 配信終了後はアーカイブされるので, 招待講演や口頭発表であれば聞き逃したものも後々動画で見ることができます. 誰でも見ることができるので, 興味のある方はhttps://www.facebook.com/pg/iclr.cc/videos/ からどうぞ. 

 会議の具体的な内容について少し話します(といっても, 特定の論文の紹介をしても仕方ないので, 全体的な傾向の話です). 初日のワークショップは様々な分野に渡っていましたが, 表現学習や強化学習に関するトピックを扱うワークショップが比較的多かった印象です. 機械学習技術を社会で活用する話や, 実用上の安全性の話など, 実社会での応用を考えたトピックのワークショップも開催されていました. 2日目は, 招待講演が敵対的機械学習の提案で有名なIan Goodfellow先生だったこともあり, GANs(Generative Adversarial Networks)の論文が集められていたように感じました. GANsは元々画像生成で有名だった手法ですが, 現在はそれに留まらずスタイル変換や音声合成, 後段のタスクにとって良い表現の学習など, 幅広い形で敵対的機械学習を利用する論文が多かったです. 3日目は比較的強化学習のセッションが多く, 自分が最も興味を持っているトピックなので, できるだけ様々なポスターを聞こうと動き回っていました.継続学習(Continual Learning, Lifelong Learning)に関する研究が意外と多く見受けられ, 今後も重要なテーマになっていきそうでした. 4日目は特にどの分野の論文が多いという傾向は感じず, 様々な話題の発表がありました. 私の研究室のメインテーマであるオートマトンに関係した論文も2本あり, 機械学習とオートマトンというテーマは情報科学の中では少し離れていると思っていましたが, 思わぬところで繋がりがあって興味深かったです. 全体の傾向として, 既存のアルゴリズムを数学的な保証を持って改善しようとする研究や, 最適輸送や双曲幾何学などの他の数学分野と結びつけた研究, 現在よく使用されているアーキテクチャの収束性やチューリング完全性の証明など, 必要とする数学や情報科学の前提知識が幅広くなっている傾向があり, きちんと基礎を勉強しておくことが今後ますます大切になっていくように感じました.
 会議会場には企業ブースも設置されており, スポンサーになっている企業のデモ等が設置されていました. 日本からは株式会社Preferred Networksのブースが出ていました. 企業ブースでは軽食とコーヒーが提供されており, 他のセッションの合間には休憩も兼ねて多くの人が集まっていました. Microsoftのブースには参加者が自分の大学名を書くスペースがありましたが, 数多くの大学からの学生がこの会議に参加していることが伺えます.
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 飛行機の遅延など様々なトラブルにも見舞われましたが, それも含めて良い経験だったと思っています. これまで知らなかった面白い研究にも数多く出会うことができ,次は(この会議に限らずですが)自分で論文を国際会議に投稿して参加したいと思いました. 学部生の段階で国際会議に参加できる機会は貴重なので, 現在, もしくはこれからStep-QIスクールへの参加を考えている人には, この制度を存分に活用することを勧めます.
 

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