研究活動と人材育成

 

 

先人から伝わった知恵や研究などで新たに見つかった知識を、他の人に伝えて活用と発展に繋げていくのが教育です。社会を支える人材を養成する高等教育にも、新たな知識を探求する研究活動が欠かせません。研究における探求心・好奇心は、人の思考力を鍛錬して、教育にも大いに役立つためです。研究活動は、専門知識のみならず、前人未到やオンリーワンを目指す探求心・挑戦心を養成するため、最高の高等教育の機会と言えます。

発見・発明を目指す最先端研究では、そのアプローチに研究者個人の興味・関心が色濃く反映されます。研究者の個性が、新規性や多様性を生み出す源泉と言ってもよいくらいです。研究は属人性の高い知的生産活動で、「研究はすぐれて人なり」と言えます。そのため一般に、優れた成果を出し続ける研究機関では、優秀な研究者が多く育ちます。優れた研究者が育てば、大きな研究成果に結びつきます。研究パフォーマンスと人材の育成は、おおむねニワトリと卵の関係にあり、双方を分離して考えることはできません。ずばり大学研究の強みは、教育との相乗効果(シナジー)です。

 

電気系紅葉

電子情報システム・応物系研究棟の秋(青葉山キャンパス)

実り多き教育となることを願って

 

研究活動の場としての研究室は、学生にとって技術力と精神力を獲得して社会や研究分野に巣立つための巣箱や、高くテイクオフするための滑走路(もしくは急発進用カタパルト?)と言えます。若い時は、自分のアイデンティティ・存在意義や自己実現の方法を求めて迷うことがありますが、まずは学術活動で思いっきり自分を磨いて新しい可能性を広げることで、自身はもとより他の人にも役立つ固有の宝物(生きがい・目標・使命感・夢・個性などなど)を探し当てて欲しいと思います。

研究環境で育まれた人材は、ものごとを基礎から深く考える姿勢が身に付くため、その進路としては専門分野を極めて牽引する研究者だけでなく、広く社会に貢献できる一流のエンジニアとしても活躍が期待できます。

 

カリン花

カリン(青葉山キャンパス)

研究活動でも花が咲き実もなります