液晶ディスプレイの設計

 

 液体と結晶の性質を併せ持つ液晶は、光機能性の低分子有機材料です。その自発的な分子配向機能により、光学的および電気的に異方性を有するため、現在、ディスプレイの光変調素子として活用されています。

本研究室では、液晶ディスプレイの高画質化やフレキシブル液晶の開発に向けて、液晶材料の物性パラメータ(屈折率異方性、セル厚、プレチルト角、分子配向分布、アンカリング強度)および光学フィルムの特性(面内位相差:Re、 厚さ方向位相差:RthNz)を高精度に評価しています(分光エリプソメトリなど)。

これらの特性評価をベースに、拡張ジョーンズ行列法、ミューラー行列法およびポアンカレ球を用いて偏光状態を三次元的に制御して、ディスプレイの広視野角化・高コントラスト化を実現するとともに、新規光学フィルムや機能性プラスチック基板の設計・開発を進めています。

 


IPS方式液晶ディスプレイの電界分布と液晶配向分布

 


VA-mode液晶ディスプレイの電圧-透過率特性

 

 


直交偏光板の視角特性(観察角度:60度)

 

 



直交偏光板の視角特性

 

 

 


 

IPS方式液晶ディスプレイ用広視野角偏光板における偏光状態の変化

 

 


 

広視野角偏光板を用いたIPS方式液晶ディスプレイ

(左:通常の偏光板、右:広視野角偏光板)