研究活動の基盤となる学術分野

 

 

工学系の学術研究のエッセンスは、解明・発見・発明・応用など新しい知見の創出です。工学研究では、自然の真理を基盤として価値・技術を生み出しながら、それらを実社会に活用していきます。実際に工学は、物理学の理論・現象を解析・設計の手段(ツール)としながら発展してきました。機械工学が古典物理学であるニュートン力学に基づき確立されたのに対して、電気工学は古典物理学の電磁気学をベースとして構築されました。さらに、半導体の電子物性を扱う電子工学(エレクトロニクス)は、古典物理学の統計熱力学と現代物理学の量子力学が加わって、基本理論が構築されてきました。

本研究室では、光学を含めた電気・電子工学をベースとして、有機材料科学(有機化学、統計熱力学、物性物理、量子力学など)と、人間科学の感性(視覚、五感、脳科学、情報科学など)を扱い、その可能性を探究します。双方の分野とも、まだ解明されていない部分が多く、それらを組み合わせて広い融合分野を形成することにより、これまでにない発想・アイデアが生まれます。本研究に限らず一般に言えることですが、解析が困難な複雑系で未知な分野(フィールド)ほど、研究のアプローチで開拓する必要があります。その先には、大きな可能性を秘めて冒険心をあおる大海原、さらには人々に恵みをもたらす未知の大陸が出現するかも知れません。

 

情報ディスプレイの進化を支える科学技術分野

 

本研究室の学術領域は、以下のような分野マップとして表現できます。実際にディスプレイを含むヒューマンインタフェースの研究では、材料科学、デバイス工学に立脚しながら、情報科学、そして人間科学に迫っていくアプローチが必要です。ここでは、個々の分野で長く蓄積されてきた高度な知識体系をフルに活用しながら、デバイス系と人間系の学術大系を掛け合わせることで、新たな融合・境界研究の領域を構築していきます。そこから得られる知見は、研究室で掲げた課題を克服するための有力な手段・道具になっていきます。

 

ヒューマンインタフェースに関連する研究分野