通信工学コース

人と人、人と機械の
コミュニケーションの未来を目指す

Communications Engineering
通信工学コース

ヒューマンインターフェース、コンピュータネットワークからワイヤレス通信システム設計に至る情報通信技術の基礎を学ぶとともに、ヒューマンコミュニケーションの未来に向かって挑戦します。

私たちの社会は、音声、文字や画像など多様な情報をいつでもどこでも瞬く間にやり取りできるユビキタス社会に変貌しようとしています。このような社会を支え、さらに発展させていくのは情報通信技術の高度化です。

通信工学コースでは、ヒューマンインターフェース、コンピュータネットワークからワイヤレス通信システム設計に至る情報通信技術の基礎を学ぶとともに、ヒューマンコミュニケーションの未来に向かって挑戦します。通信工学コースの研究室では、いつでもどこでも超高速で通信できる新しいワイヤレス技術や、次世代通信用の光ファイバなどの研究をしています。また、人と人との通信だけでなく、ロボットなど機械との通信に必要となる音声認識・音声合成・画像認識、コンピュータネットワークを活用する並列・分散処理技術の高度化に取り組んでいます。

これからの通信システムはどうあるべきか、どのような機能を持つべきか、それらを考え、ヒューマンコミュニケーションの未来を実現していくために学びを深めていきます。

Pick Up

ここに注目!!

テレビ放送受信用をはじめとして世界で広く使われている八木・宇田アンテナ、インターネット利用を支えている光通信など、東北大学の通信工学の歴史は世の中の進歩に大きく貢献してきました。“いつでもどこでもストレスなくつながる”研究は、利用者の快適さに貢献するだけでなく、大震災の経験を経て社会の基盤としてより重要性が増しています。また、例えばからだの中に送り込んだカプセルと医療機器の通信から、宇宙空間の探査機と地球との通信まで、通信技術の活躍の可能性は無限の広がりを見せています。

これらの技術の基本となるのは、高校の物理で学ぶ「電気と磁気」と「波(音、光)」。高校の物理で「音」や「光」に興味を持った方は、本コースでさらに学びを深めることができるでしょう。

さらに本コースでは、これら電気・光・電波による人と人の通信だけでなく、人と機械の間のコミュニケーションに関する視覚情報や音声の認識技術にまで研究分野を広げ、ヒューマンコミュニケーションの未来を切り拓くチカラをあなたに授けます。10年後、iPhoneに代わる新しいコミュニケーションツールを開発しているのは、あなたかもしれません。

研究キーワード

  • 通信工学
  • 超高速無線通信
  • 移動体アンテナ
  • 光通信
  • 画像処理
  • 音響・音声工学
  • 人間と機械との対話
  • 自律移動ロボット

Introduction of laboratory

学生による研究室紹介

LABORATORY01

人間と対話できる
コンピュータを目指して

M.Yさん
M.Y さん 工学部
電気情報物理工学科

私たち人間は、言葉を用いてコミュニケーションをとっています。音声は、特別な道具を用意したり、特別な訓練をしたりすることなく使えます。また、情報を伝える速度も速いうえに、手足や目などを他の作業に使いながら、あるいは動き回りながらでも使えるため、情報伝達の手段としてはとても有効です。

しかし、人間と機械がコミュニケーションするためには克服しなければならない問題がたくさんあります。機械は、人間のようには音声を理解できませんし、人間のように表現豊かに話すことも容易ではありません。私たちは、これらの問題を解決し、音声認識や音声合成を活かしたシステムの開発などを行っています。例えば、視覚情報などを加えた音声対話システムや、雑音に頑健な音声認識システムの設計、感情豊かな音声合成、カラオケでの熱唱度評価など、音全般に関する研究を行っています。

M.Yさん
LABORATORY02

ディープラーニングを活用した
古文書画像の解析を目指して

C.Sさん
C.S さん 大学院工学研究科
通信工学専攻

古文書には過去の文化や歴史・災害の記録等の有益な情報が残されており、近年それらの情報を研究やシミュレーションに活用する動きが高まっています。しかし古文書は現在とは異なる形状の文字で記述されている場合があるため従来の文字認識手法を適用できず、自動解析が困難であるといわれています。そこで本研究室ではこの問題に対し、最新のディープラーニング技術を活用することで文書解析のための高精度な古文書キーワード検索の実現を目指しています。

他にもニューラルネットワークを用いた情景中の文字列検出や、画質を保ちつつ情報量を削減するための画像符号化、地図を用いた屋内ナビゲーションシステムの研究等、最先端のテーマに幅広く取り組んでいます。常に新しいことを学ぶことができる整った環境の中で日々充実した研究生活を送っています。

C.Sさん
LABORATORY03

革新的な農作物の
品質管理手法の開発を目指して

T.Oさん
T.O さん 大学院工学研究科
通信工学専攻

世界的な日本食ブームの広がりにより、桃などの高品質な日本の農作物は盛んに輸出が行われており、高度な品質管理によってさらなる付加価値をつけることで、国際的にジャパンブランドを確立できると期待されています。しかし、現在の果実の品質管理機器には、工場で用いる大型機器や、小型の機器でも測定に手間のかかるようなものしか実現されておらず、生産者が手軽に扱える測定機器の開発が待たれていました。

私たちの研究室では、フォトニック結晶という微小光学素子を搭載したカメラと近赤外分光技術の組み合わせで、測定対象の果物に触れることなく、糖度や酸度などの品質測定を行う小型システムを実現しようと試みています。その他、光通信デバイスや電力融通システムなど、幅広い内容で研究を行っています。

T.Oさん
LABORATORY04

さりげない体内外ワイヤレス通信の
実現を目指して

N.Tさん
N.T さん 大学院工学研究科
通信工学専攻

口腔内に装着された義歯、体内に飲み込まれた薬、あるいは体内に埋め込まれた生体センサなどが、その人に使用感や負担感を感じさせることなく(さりげなく)、体外と無線で通信することで、日常生活の見守りや健康チェックが可能となるシステムの実現が期待されています。

私たちの研究室では、体内と体外で、無線センサ周囲環境の誘電率が大きく異なることに注目した体内外ワイヤレス通信システムを考案し、義歯に装着できるサブcm級、さらには、飲用薬に装着できるmm級の無線センサの開発を行っています。現在、私は、アンテナ、高周波回路、ICなどの無線センサのハードウェアの研究を担当していますが、研究室では、信号処理技術や通信システムまで、ワイヤレス通信全般の幅広い研究が可能です。

N.Tさん