基調テーマ:―循環型社会を目指して―産・学・官の環境への取り組み―
(株)東芝 情報・社会システム社 社長 奥原 弘夫氏のご講演


  (株)東芝 情報・社会システム社 社長 奥原 弘夫氏

 
 最初にお話をさせていただく。環境とは広辞苑によると人間ととりまきの生物が相互作用する外界である。

 循環型社会における基本活動は「かえす」、「いかす」である。最近の環境関連規制によりリサイクル対策主体「1R」は3Rへ発展してきている。「リヂュース(Reduce): 廃棄物の発生抑制」「リユース(Reuse):製品・部品の再利用」「リサイクル(Recycle): 原材料としての利用」である。3Rによる総合的な取り組みにより資源の有効利用を図かって行く必要がある。

カリフォルニア州は環境規制がきびしい。電力の小売値が卸値の50倍になった。アルミ精錬会社が生産を止めて、契約していた電力を売って儲けた話がある。 

 企業の意識が環境を考えるように変わっている。環境経営は株価を上げる。取引先がグリーン調達をし、消費者がグリーン購入をするようになった。敵対関係にあったNGO/NPOが情報交換・協力するようになった。環境を考えない企業には環境リスクへの関心から銀行がお金を貸さない。企業が環境に注意を払っているかどうかで従業員の新人が入るかどうかの条件になっている。行政は規制をしてきたがこの頃は規制緩和に移り、減税の方向になっている。

 企業は作るのに重きをおいて、リサイクルに今まで余り配慮しなかった。使う、返す、いかす、の循環型社会をめざして、環境に注意を払わねばならない、きれいごとにはいかない。「人と地球と明日のために」でやってきたが、今は「人と株主と従業員のために」のスローガンで進めている。 今世紀はIT革命と言われいる、BT(バイオ) 革命とも言われている。21世紀はET (環境) 革命とも言われている。費用時間が長い。目にみえて時定数が長い。ITに乗り遅れると会社があぶなくなる。しかし、ETはそうでなく、南北問題を持っている。

 官へのお願いは、規制ばかりでなく、規制緩和もお願いしたい。経済メリットがでる減税、補助金の手を打っていくべきである。学に対して、啓蒙、世論形成までお願いしたい。21世紀で生き物が生き残るためには、環境である。